専門家は※だらけ

「この成分には○○の可能性があります※ただし、用量・用法を守り、持病のある方は医師にご相談ください」「最新研究では△△との関連が示されました※ただし、これは動物実験であり、ヒトでの有効性は今後の検証が必要です」「※個人の感想です」「※効果を保証するものではありません」「※全ての人に当てはまるとは限りません」

──もう、※印だらけです。では、なぜ専門家は断言しないのでしょうか？それは、「正確でありたいから」※印をつけざるを得ないんです。しかし、人は「言い切る人」に惹かれます。「こうすればいい」とシンプルに提示されると、僕たちは迷いが減り、自信を持つことができます。これは宗教や占い、自己啓発などにも共通しており、現実の複雑さや例外をそぎ落とし、「こうすれば救われる」と提示することで、多くの人を惹きつけます。SNSでも、フォロワーが多いインフルエンサーほど、はっきりと言い切る傾向があります。ここに、SNSで発信する専門家が直面する「※印のジレンマ」があります。

正確さを保とうとすれば、どうしても「※」が増え、情報が複雑になり伝わりにくくなる。逆に、伝わるようにシンプルに「断言」してしまうと、正確さが失われ、誤解を招く可能性がある。専門家は、この「※印」と「断言」の狭間でもがきながら、情報発信を行っています。

では、信頼される専門家とはどのような存在でしょうか？「言い切る力」は、情報を遠くまで、速く伝えるためのエンジンのようなものです。「※印」は、誤解や危険を避けるためのブレーキです。信頼される専門家とは、この「エンジン」と「ブレーキ」の両輪を、状況に応じてバランスよく使いこなせる人なのかもしれません。正確さを期しながらも、伝えようとする努力を惜しまない。時に迷いながらも、それでも読者やオーディエンスのために分かりやすく、かつ正確な情報を届けようとする姿勢こそが、今の時代に求められる「プロフェッショナル」の新しい形ではないかと思います。アンチエイジングや健康に関する情報も例外ではありません。何が「本当に効果のある」方法なのか...、エビデンスに基づいた情報を見極める際には、情報の「断言」の裏に隠された「※」の存在や、なぜ専門家が断言を避けるのか、といった背景を理解することが非常に重要です。

いかがだったでしょうか。情報過多の時代に誰から情報を取得するかは死活問題です。信頼に足る情報発信者を複数見つけておくのは生活の質を上げるために大切なことです。※この情報も信頼に足るリソースになることを目指します。ここまで読んでいただきありがとうございました！